それまで断面詳細図は、紙面の都合上、縮尺1/60程度で載せることが多かった。これでは「図面の意味をきちっと伝えられていないのでは」とずっと気になっていた。だが、1冊の本の中で載せる断面詳細図はせいぜい1枚か2枚。妥協せざるを得なかった。
この本では、判型をそれまでより大きくA4判とすることで、「断面詳細図だけで1冊作れないか」と考えた。企画時、田井幹夫さんの図面を一式見せていただいたとき、「断面詳細図」には他のどの図面よりも何倍も力を入れて描かれていることが感じ取れた。
この図面がもつ魅力をそのまま本にしようと、決めた。