「設備図は見てもよく分からない」とよく意匠設計者はいう。配管などはルートのみが描かれているだけで、厳密なスケールがないからだ。設備設計者もそれが当たり前だから、そこには真剣に取り合おうとはしない。なら、自分が「真っ向から設備図と対峙する」と奮い立ち、この企画はスタートした。検討した結果、現状の設備図が何も問題ないのであればそのまま載せるべきだと考え、「意匠図の上に設備図が載っている」という図面構造上の特質から、意匠図を色線に、設備図を墨線に変換した。これであれば、一目見ただけで伝えられる。目から鱗の発見であった。