建築の本をつくるしごと

お知らせ/制作中ブログ
7月20日発売予定の新刊『デザインサーヴェイ図集』が出来上がりました。
週末は完成を祝う会でした。最初の打合せから2年半と時間はかかりましたが、大変良い本になったと思います。



伊藤ていじを父にもつ伊藤杏里さんが編著者としてとりまとめて頂き、工学院大学伊藤ていじ研究室の助手だった中山繁信さん、伊藤研の初期メンバー(当時院生)である最勝寺靖彦さん、笹原克さん、井上洋司さんによる共著です。


右から、井上さん、最勝寺さん、中山さん、私(三井)、伊藤杏里さん、笹原さん

本書は2篇構成。図面篇にはハイライトというべき「倉敷」と、「海野宿」の調査図面が見開きA3サイズで収録されています。加えて観音ページも4セット含まれています。テキスト篇にはサーヴェイの全容と、伊藤ていじの仕事、人として、父としての伊藤を綴った貴重な証言が収まっています。
特に、サーヴェイはアメリカから伊藤が持ち込んだとされていますが、その前段となる、数奇な運命ともいえるエピソードは必読です。また、杏里さんのテキストがとても良く、伊藤ていじの見方が少し変わるかもしれません。



製本はノドまで見える「無線広開(PUR)製本」を採用。
観音ページの糊り代を無線綴じ(一度断裁して糊付けする製本方法)の断裁代で相殺する、という方法を見つけ出したことが、この本にとって大きなターニングポイントとなりました。それにより滞りなく流れるような自然なめくり感と、ノドをまたぐ図面がストレスなく眺めることの両立が可能となりました。



また図面は手描き図面がもつ臨場感まで再現するべく、図面にある擦れなどもそのままにしています。図版調整をお願いした小林則雄さんによれば、この擦れはものによって「1%のアミ」しかなく、残すことに大変苦労したようです。ただ、そのおかげで図面を描いた人の息遣いまで伝わるような表現になりました。これを約50年前に学生たちが描いたのですから畏れ入ります。



<< 戻る