建築の本をつくるしごと

まもなく発売となる8月の新刊をご案内いたします。

『「伊部の家」原図集』
手嶋 保 著 

A4ワイド判・かがり上製(ハードカバー)・144p・本体4500円+税
2019年8月18日発売(配本8月16日)

「伊部の家」の設計中に描かれた直筆原図を収録。『住宅設計詳細図集』の特別版。

一軒の住宅ができるまで、その設計中には膨大な原図がありました。これは作り手と設計者のやり取りの記録であり、著者が何を考え、何を悩み、どういう決断を下したかが直に読み取れるものです。本書では直筆の原図をほぼすべて収録しました。手嶋保の建築家としての思考、哲学、インスピレーションに迫ったドキュメントです。


この原図は作り手との実際のやりとりですか推敲などというよりはもっと確かなものです。設計図書だけでは明らかにできない「空間の質」をディテールによって在らしめようとするドローイングということです。これは建築に確固たる質を付与せんとする意志であり、作り手に向けた真剣な問いかけであり、願いでもあるのです。
------------------ 手嶋保


7月20日発売予定の新刊『デザインサーヴェイ図集』が出来上がりました。
週末は完成を祝う会でした。最初の打合せから2年半と時間はかかりましたが、大変良い本になったと思います。



伊藤ていじを父にもつ伊藤杏里さんが編著者としてとりまとめて頂き、工学院大学伊藤ていじ研究室の助手だった中山繁信さん、伊藤研の初期メンバー(当時院生)である最勝寺靖彦さん、笹原克さん、井上洋司さんによる共著です。


右から、井上さん、最勝寺さん、中山さん、私(三井)、伊藤杏里さん、笹原さん

本書は2篇構成。図面篇にはハイライトというべき「倉敷」と、「海野宿」の調査図面が見開きA3サイズで収録されています。加えて観音ページも4セット含まれています。テキスト篇にはサーヴェイの全容と、伊藤ていじの仕事、人として、父としての伊藤を綴った貴重な証言が収まっています。
特に、サーヴェイはアメリカから伊藤が持ち込んだとされていますが、その前段となる、数奇な運命ともいえるエピソードは必読です。また、杏里さんのテキストがとても良く、伊藤ていじの見方が少し変わるかもしれません。



製本はノドまで見える「無線広開(PUR)製本」を採用。
観音ページの糊り代を無線綴じ(一度断裁して糊付けする製本方法)の断裁代で相殺する、という方法を見つけ出したことが、この本にとって大きなターニングポイントとなりました。それにより滞りなく流れるような自然なめくり感と、ノドをまたぐ図面がストレスなく眺めることの両立が可能となりました。



また図面は手描き図面がもつ臨場感まで再現するべく、図面にある擦れなどもそのままにしています。図版調整をお願いした小林則雄さんによれば、この擦れはものによって「1%のアミ」しかなく、残すことに大変苦労したようです。ただ、そのおかげで図面を描いた人の息遣いまで伝わるような表現になりました。これを約50年前に学生たちが描いたのですから畏れ入ります。



7月21日発売予定の新刊『デザインサーヴェイ図集』のご案内です。

デザインサーヴェイ図集
伊藤杏里 編著 中山繁信・最勝寺靖彦・笹原克・井上洋司 共著
A4判・無線クータPUR製本・160p・本文2色刷
デザイン 相馬敬徳(Rafters)
図版調整 小林則雄(ノアーズグラフィック)

(概要)
建築史家・伊藤ていじが70年代に学生らと手がけた、伝説の集落実測調査がここに再び甦る!
地域に飛び込んで観測し、実測調査し、図面により視覚化する集落実測調査「デザインサーヴェイ」。1970年代に日本中の大学研究室で流行し、いまや伝説として語り継がれています。調査には建築的側面だけではなく、生活や習慣、歴史や風土など、人類文化的な貴重な情報が詰まっています。本書では伊藤ていじが主導した調査図面群を現代に甦らせるとともに、研究室OBやご子息らによる貴重な証言から伊藤の足跡を辿ります。




(はしがき)
 まずは本書の図面を見ていただきたい。読者の皆さんは、その美しさと迫力に思わず引き込まれるのではないだろうか。
 ここに集められた倉敷(岡山県倉敷市)と海野宿(長野県東御市)の図面群は、1970年代に工学院大学建築学科伊藤ていじ研究室が手がけたデザインサーヴェイのハイライトともいうべきものである。当時は高度経済成長とともに伝統的な民家や町並の消滅が急速に進みつつあり、デザインサーヴェイは、単体としての建築だけでなく町並全体を調査・図面化することで、それらの保存・継承に向けた大きなきっかけとなることがめざされた。
 伊藤ていじの指揮のもと、学生たちが描いたこれらの図面群には、町並に暮らし生きる人々の理解と協力、その信頼を得るための学生たちの努力、そして実測から完成図に至るまでの手の感触に込められたエネルギーのすべてが反映されている。時代背景が異なり、デジタル化された実測や表現が多様に展開する現在においても、その魅力は色あせていないと思う。
 本書は、当時伊藤ていじ研究室の助手であった中山繁信の発案により、読者の方々にデザインサーヴェイの美しい成果を味わっていただくだけでなく、デザインサーヴェイのプロセスや工夫、またその実現を可能にした伊藤ていじの人となりや教えを紹介することを目的としてまとめられた。
 テキスト篇の1章ではデザインサーヴェイの実際を、2章では伊藤ていじの多彩な活動を紹介し、3章では家族から見た伊藤ていじの人物像を披露している。
 執筆には、デザインサーヴェイに携わったメンバーとして、中山のほか、当時学生であった最勝寺靖彦、笹原克、井上洋司ら伊藤研究室OBの面々が加わり、伊藤ていじを父にもつ伊藤杏里が編著者として全体を取りまとめた。読者の皆さんが、それぞれの視点から本書を楽しんでいただければ幸いである。
新刊『建築用語図鑑 日本篇』が早くも増刷決定しました。
特に書店店頭で手に取って買っていかれる方が多いとのこと。
嬉しい限りです。誠にありがとうございます。



なお、『矩計図で徹底的に学ぶ住宅設計』も7刷増刷が出来ました。
引き続きご愛顧のほど、よろしくお願い致します。


日頃から大変お世話になっている中山先生とソフトユニオンがこれまで手がけた書籍を集めて、書店フェアを開催することになりました。

(以下ご案内)
建築家・中山繁信フェア
場所:MARUZEN&ジュンク堂・渋谷東急百貨店
会期:2019年6月1日~6月30日
特典:ドローイングカード(全16種類のうちのいずれか)







少し前からですが、建築家・熊澤安子さん/熊澤安子建築設計室のHPがリニューアルされています。デザインは、熊澤さんの本『木造住宅のつくり方 「朝霞の家」ができるまで』および本サイトのデザインも手がけていただいた石曽根昭仁さんによるもの。とても良いですね!

熊澤安子建築設計室HP
https://yasukokumazawa.com/



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なお現在、熊澤安子建築設計室では、
5/18にオープンハウス開催が予定されているようなので、
ご興味ある方はぜひ。(私も行きます)

リンクはこちらですね。